BASARA 2
□アテナ
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上から掛かる重みにお腹が圧迫されて気分が悪くなってくる。
ただでさえ今は空腹で体力も限界に近いのにこんなのはあんまりだ。
「・・・う、ぐぅ・・・」
「ねぇ此処どこ?俺様をどうやって連れてきたの?」
上から質問が投げかけられる。
聞いたことのある男の声だ。けれど思い出せない。
知り合いにはこんな声の人物は居なかったな筈だ。なら、一体どこで聞いた?
しかしいい声だな。このエロヴォイス!
「ちょっと、俺様の質問に答えてくれない?」
「怪我したくなかったらねぇ」と口調は軽く、けれど苛立った様子で言われる。
首筋の冷たい物を押し当てる力が強くなった。
此処がどこかだって?
そんなの私の家に決まっている。
どうやって連れて来たか?
そんなの知らない。アンタが勝手にダンボールに入ってたんでしょうが。
なんで自分の家でこんな目に合わなくちゃならない?
「――んな」
「は?」
「ふざけんなッ!」
「――なッ・・・!」
大声で叫ぶ。
私は思いっきり力をこめて起き上がる。
上に乗っていた男は突然の事に驚いて私の上から落ちる形になる。
首筋に瞬間的に痛みが走った。だけどそんなの私は気にしない。
今の私は兎に角コイツに腹が立っているのだ。一体何様のつもりだ。
「何処もなにも此処は私の家だしあんたなんか連れてきた覚えは一切ないっつーの!大体ダンボールに入ってるなんて可笑しいったらありゃしない!そういう趣味でもあるんかい!行き成り人の食事の邪魔して出てきたと思えば上乗りして刃物を突きつける?それが人にものを尋ねる態度か!こっちは引越しの片付けで疲れてんの!お腹がすいてヘロヘロなの!体力もいい加減限界なんだよ、わかったか!!?」
一息で言い切ったので酸欠になった。
空気を求めて肩で大きく息をする。
こんなに大きな声を出したのは久しぶりだ。喉痛めたらどうしてくれる?
相手の顔を見れば、目を見開いて驚いていた。
私も相手を見て驚いた。
太陽のように明るい橙色の髪に鼻と頬のペイント
この時代では先ず見かけないような迷彩の服。自衛隊か。
手に持っている漫画やアニメでしか見たことのない苦無。
そして何故か聞き覚えのあった声。
そう私の大好きな声だ。なんで気付かなかったのだろう。
「・・・ッ!・・・・・・」
思わず息を呑んだ。
私は、確かにこの人物を知っている。
だけど、どうしてBASARAの猿飛佐助が此処にいるのだろう?
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