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□第三ボタン
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「俺のこと覚えてる?」

そう駅で声をかけてくれたのは
あの日から忘れることのない
キミだったね ────…





あの日の卒業式

一つ年上のキミに恋してたアタシ

キミのボタン欲しかった





本当に欲しかったのは

“第二ボタン”





でもキミにはすでに大切な人がいたね

いつもお似合いで

キミのとなりにいる“彼女”が

見てるとスゴくうらやましくて

憧れていた





第二ボタンは彼女行き





そんなの分かりきっていた





だからどこのでもいいから

キミのボタンが欲しいって

ただそう思っていた





人ゴミの中

かきわけて くぐり抜けて

やっとたどり着いたキミの場所





「ボタン下さい!!」





そう言って見たキミの学ランには

もう第二ボタンはなくて

渡した相手が彼女ってすぐ分かった





ボタン下さいとか言ったけど

キミのボタンを

アタシがもらえるわけない…

馬鹿なコトしたな…





そう思っていたアタシに

キミは笑顔で渡してくれたね


“第三ボタン”


「元気でな!!」

そう言ってくれたキミの優しさが嬉しくて


おもわず涙溢れて

泣き出した



そんなキミを忘れることはなくて

声かけられたトキ

本当に嬉しかったんだよ




今でもあのトキのボタンは

アタシの大切な宝物





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