Happiness with you




抱きしめた小さくて華奢な身体。息を吸うと、シャンプーのいい香りがする。
そっと頭に手を置いて、撫でる。するすると指が通る、柔らかい髪。
初めて感じた、好きという気持ち。それが大きくなって愛しいと思う、気持ち。
胸いっぱいに広がる幸せを彼はかみ締めた。

「けいいち、くん…?」

手が止まったことに不安をおぼえ、彼女は上目遣いで彼を見上げた。
大きくて黒い瞳がじっと見つめる。ドキッとしてしまったことを悟られないように、
息を整えて、言う。

「今日は、寒いな」
「うん。雪も降ってるし」
「暖房、温度もう少しあげるか?」
「ううん、いい。……だから、ずっと、」

――こうしててもいい?




一つの布団の中に、二人はいた。強く鳴る鼓動は、お互い分かってしまいそうで。
恥ずかしさにおかしくなりそうで、彼はうねる。ずっとこうしていれば、何をするか分からない。

布団から彼女は手を伸ばした。白くて細い腕。そっと彼の頬に触れる。
愛でる様に、ゆっくりと頬から喉、鎖骨まで降りていく。彼も彼女も何も言わない。
言わなくても、分かる。

そっと、お互いの唇が触れる。

「わたし、おかしくなりそう」
「なにが?」
「しあわせで」
「……なんだそれ」
「えへへ」

少しの沈黙。彼女は幸せそうに微笑んだ後、彼の胸に顔をうずめる。
愛しい彼の、匂い。

また、先ほどと同じように、彼女の髪を梳く。ゆっくりと、ゆっくりと、言葉がでてきては、
また途切れる。
途切れがちになってから、彼女は寝てしまった。
彼は微笑して、彼女の唇に触れた。

「俺もおかしくなりそうだよ、しあわせで」

彼は、目を閉じて、彼女をまた抱きしめた。





あとがき
圭レナっていいな、萌えるな、癒しだな。最近それを強く思います。
もう圭一もレナも大好きすぎて困る……!
お互いがいれば幸せ。……しっかしバカップルだなうちの圭レナは(笑)



(20080215)

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ