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□ツンデレって?
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「ツンデレ」
突然、ハルヒがそんなことを言いだした。
 
ここは文芸部の部室、俺とハルヒしか居ない。他の三人はというと、長門はコンピ研に出張中、朝比奈さんはつい先ほどまで居たのだが鶴屋さんに引っ張られてどこかへ行ってしまわれた。
古泉は知らん。用事でもあるんだろ。
 
「何だよ、ツンデレって?」
 
「萌えのひとつよ。好きな相手に本当の気持ちを伝えられずにツンツンしちゃうことを指すらしいわ」
 
「それのどこに萌えるんだよ?」
全く訳が分からん。何故ハルヒがこんなことを言い出したのかもな。
 
「知らないわよそんなこと。でもそういうジャンルがあるのは確かよ」
 
知らないのに言い出したのかコイツは。
しかし、ハルヒの奴は度々『萌え』などと言うがコイツもいわゆる『アキバ系』とかいう部類なんだろうか?今度機会があったら聞いてみよう。無いとは思うが。
 
「で?そのツンデレがどうかしたのか?」 
とりあえず聞いてみる。別に、とでも言われれば楽でいい。
頼む、言ってくれ。
 
「SOS団に足りないものを考えてたのよ。そしたらツンデレが居ないじゃない!と思ったわけ。キョン、誰か心当たり無い?」
 
やっぱりね。わかってましたよ、言ってくれないことぐらい。
「あるわけ無えだろ。強いて言うならお前じゃないのか?」
 
「私は違うわよ。思ったことは口にできるもん。SOS団のみんなのこと大好きよ。もちろんあんたも入ってるわよ。
あんたは口答えもするし、団長に対する口のきき方もなっちゃいなけど、雑用の業務は一応こなしてるしね」
 
確かに言えてるな。なら違うか。
ほかに誰か、朝比奈さんは萌え要素の集まりだがツンデレではない。長門はなに考えてんのかわからんがたぶん違う。そもそもそういう感情があるのかも怪しい。
古泉は有り得ない。アイツの恥じらう姿なんて気持ち悪いだけだ。
 
「そういうあんたはどうなのよ?ツンデレだったりしない?」

俺がツンデレだと!冗談は休み休み言え。「違えよ。俺だってSOS団のことは好きだぞ。それに思ったことは口にできる。
例えばお前についてだ。
お前は毎回思いつきでものを言うし、人の言葉には耳を貸さんうえに無理難題を申しつけてみんなを困らすことも多々あるが、みんなのことを一番思いやってるのはお前だって俺は知ってるぞ?」
 
「あんたにしちゃいいこと言うじゃない。確かにあんたもツンデレじゃないわね。」
 
当たり前だ。そういうもんはな、マンガやアニメの中だけにあるんだよ。
現実で見つけようなんて宇宙の神秘を解き明かすぐらい無理なんだよ。
 
「わかってるわよそんなこと!
はあぁ、どこかに居ないかしらね、ツンデレ」
 
「さあな、居るといいな」
 
 
 
 
end…
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