本棚

□SOSバンド
1ページ/4ページ

「みんな、楽器屋に行くわよ!」
 
 
放課後、いつものように文芸部室へと集まっていた俺たちSOS団の面々は、勢いよく開いた扉の方へと一斉に振り向いた。
 
今ハルヒはなんて言った?楽器屋に行く?
Why?何故俺たちが楽器屋なんて行かなきゃならんのか。全く縁がないだろうが。
 
「私たちのバンドって使ってる楽器は全部借り物じゃない?そろそろ自分の楽器が欲しくなってきた頃だと思ってね。どう?ナイスアイデアだと思わない!?」
私たちのバンド、って…まだ続いてたんだな。
ライブのMD審査で落ちてから全く活動していなかったからな、すっかり忘れていた。
 
「さすがは涼宮さんです。実は僕もドラムセット一式揃えたいと思っていたところなんです。僕はお供しますよ」
こいつは本当にそんな風に思っているんだろうか?
 
「古泉くん、乗り気ね!どう?有希も自分のギター欲しくない?」
「私たちがバンド活動を続けていくのであれば借用した楽器類を使い続けるのは推奨できない。よってあなたの意見には賛成する」
長門まで…お前ら、そんなに熱心に活動してたっけ?
 
「みくるちゃんも!これを機にエアーベーシストからキーボニストになるってのは?」
朝比奈さん、別にハルヒの機嫌とるために無理に賛成しなくても良いんですよ?
 
しかし朝比奈さんも予想外に乗り気だったらしく、あっさり賛成してしまわれた。
 
「よし、みんな行く気満々ね!関心関心!それじゃ、駅前の楽器屋に行くわよ!」
ちょっと待て、俺は行くなんて一言も言ってないぞ。それに俺は楽器なんて見たところで自分にあった物なんてわかる訳がない。
 
「大丈夫、あんたに合うベースは私がちゃんと選んであげるから!何の心配もいらないわ!」
ハルヒが選ぶだと?奇怪な形のベースばかり選びそうで全く心配は無くならんのだが…
 
「みんな、鞄持って!楽器買いに行くわよ!」
かくして俺たちSOS団は、自分の楽器を買うために楽器屋へと足を運ぶことになった。
俺は楽器買う金なんて無いからな!
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ