Short Novel
□Feeling
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【Side-A】
「あー悔しい!」
「まだ言ってんのか?シャンプーに負けるのなんていつものこったろ?」
「だから悔しいんじゃないのっ!」
ある日、学校からの帰り道。
あかねがドスドスという効果音がピッタリな歩き方で、鼻息荒く家路を歩く。
その横には川沿いのフェンスの上を歩く乱馬。
あかねがご機嫌斜めなワケは、学校の昼休み時間に現れた乱入者が原因だった。
その乱入者とは、前出の中国娘シャンプー。
彼女は平穏な時間に、乱馬目当てに自称愛妻弁当を持って、教室の壁を破壊しやって来た。
一見、いつもの光景にみえるのだか、今日は間が悪かった。
シャンプーが乱入した際に、たまたま乱馬の側にいたあかねの頭をぶぎゅる!と踏み付けたのだ。
クラスメイト達が青ざめる中、シャンプーがご機嫌に乱馬へと飛び付く。
「何すんのよっ!」
怒りに震えるあかねが文句を言うも、当の本人はこれまた悪びれる様子もなく、セイロに入ったシュウマイを乱馬に勧めた。
しかし、どんなに美味しそうでも、さすがにこの状況では食べる気になれない。
乱馬は身をすくめながら要らないと拒否を示すと、ダッシュで教室を飛び出した。