Short Novel
□僕たちの変化
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ガラにもなくビビっている姿に、必死に笑いを堪えてさらに近づく。
そして…
「わっ!」
と大声を出して、乱馬があかねの肩にポンッと手を置いた。
「…きゃーきゃーきゃーー!!」
「でぇ〜〜っ!」
近所迷惑なほど大きな悲鳴に、慌ててあかねの口を手で塞ぐ。
「おっ落ち着け!俺だ!」
無言で手首を捻り上げるとか、みぞおちに肘鉄を食らわすとか、
そういう護身術を仕掛けてくるかと身構えてたのに。
意外にも普通の女らしい反応で慌てふためく。
すると、そんなことを考えていたせいで油断しいた乱馬の手を、
パニックになったあかねが思い切りガブリ!と噛み付いた。
「いって〜〜〜!!!」
「ら…乱馬?!」
思いっ切り噛まれた手を慌てて離すと、やっと気付いたあかねが驚いた顔で振り返った。
あまりの痛さに座り込んで、噛まれた手をふーふーと息を吹きかけて冷ます乱馬。
怒ったあかねが文句を言おうとした矢先、騒々しさに近所の人たちがさわさわと集まりだした。
「げっ…。やべぇ。」
「な…何でもないんです。あはは。」
気まずさに耐えられなくなった二人はヘラヘラ笑うと、逃げるようにその場を後にした。