長編
□Sweet panic3
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「乱馬くーん。本っ当に身に覚えが無いわけ?」
あかねを横目で追いながら、なびきが庭でボー然としているらんまに声をかけた。
「…あったら、こんな事になってねぇだろ。急に態度変えやがって…」
「ら・ん・ま・ちゅわ〜ん!」
すると突然、どこからかやって来た八宝斎が、らんまの胸にガッチリ抱き付いてきた。
下着ドロボーの帰りなのだろうか。背中には下着をいっぱい詰め込んだ風呂敷を背負っている。
「ぎゃあーー!止めろ、じじぃ!気色の悪い!」
体中を触られ、全身にゾワゾワと悪寒が走る。
らんまは甲高い声で悲鳴を上げると、八宝斎の頭を掴み上げ、これでもかと力を込めて地面へ叩き潰した。
「げぇ!お師匠様!」
面倒なときに帰ってきたもんだと、早雲と玄馬が青ざめる中、
「ちょっとおじいさん、乱馬くんあかねとケンカして機嫌が悪いのよ。」
これ以上騒ぎになっては、もっと迷惑だと踏んだのだろう。
なびきはたしなめるように八宝斎へそう言うと、台所からやかんを持ち出し、らんまにお湯をかけてやった。
「もう遅ぇ!」
お湯を被った瞬間男に戻った乱馬が、半ば八つ当たり気味に再び八宝斎に殴りかかる。
しかし…
「ぬわに!可愛そうに…あかねちゃん。よし、わしが慰めてやろ〜う。」
キラキラとした笑顔で攻撃をかわした八宝斎は乱馬には目もくれず、一目散に廊下を駆け出していった。
「あっコラ!ふざけんな、くそじじぃー!」