Short Novel 2

□夢見る乙女系男子
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「ったく、あかねのやつ…!」

居候部屋に入るなり、乱馬は八つ当たり気味に通学カバンを畳の上に放り投げた。

ドカリとその畳の上に胡座をかき、居間から持ってきた救急箱から冷却湿布をガサツに取り出す。


大方またあかねを逆上させるような一言でも放ったのだろう。

乱馬の左頬は、それはそれは見事に腫れ上がっていた。


痛ぇ…と呟きながらそこに湿布を貼付けたところで、

「殴るこたーねぇだろっ!凶暴女!」

と、苛立ちに任せた大きな独り言が漏れた。



すると。

「凶暴女で悪かったわね!」

障子の引き戸越しに金切り声がしたもんだから、乱馬は思わずワタワタと這うように部屋の奥へと逃げ出した。


もう帰って来たのか?!




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