Short Novel 2
□最強の女
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「乱馬ぁー!愛妻弁当食べるよろし!」
どっかん!
『じゅぎょう』という、俺にとっては苦痛以外のなにものでもない時間からやっと解放される、待ちに待った昼休みだっつーのに。
シャンプーの乱入によって、俺の貴重な飯の時間は苦痛の時間へと変わっちまった。
もはやよく見る光景である、ガラガラと崩れ落ちていく教室の壁。
クラスの連中がワタワタと蜘蛛の子散らすように逃げていく中、気が付いた時にはもう飛び出してきたシャンプーにガッツリ抱き着かれていた。
毎度毎度、なんつー瞬発力してやがる!
「お、おい!離れろ、シャンプー!」
ひろしと大介曰く、可愛い娘に抱き着かれておきながら何が苦痛だの何だの…ようは盛大にひがんでくるワケだが、冗談じゃねぇぞ!!
背後から突き刺さる視線が恐ろしくて、それどころじゃねぇっつーか、生きた心地がしねぇんだよ!
「私、乱馬の為に愛情込めてつくた。」
「や、俺弁当持ってきてるから…悪ぃな、シャンプー。」