Short Novel
□ヤキモチをやく君に
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ある日の夕方。
あかねはかすみのお使いで、商店街へと買い物に来ていた。
「乱馬のやつ!戻ったらタダじゃおかないんだからっ。」
片手に買い物袋をぶら下げて、ブツブツと独り言を話すあかね。
どうやら機嫌が悪いようだ。
実は、乱馬も一緒に来ていたのだが、
中国娘シャンプーに出くわして、追いかけっこが始まってしまったのだ。
置いてかれたあかねは、仕方なく1人で買い物を続けていた。
そうして、最後に寄った八百屋を出る頃には、辺りは薄暗くなり始めていた。
季節はもう秋。
明るい時間も日に日に短くなる。
「これで全部ね。さっさと帰ろ。」
買い忘れがないことを確認すると、あかねは自分の家へと歩き出した。
すると、後ろの方から聞き覚えのある声が…