Short Novel
□良妻賢母
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「ただいま〜。」
俺が学校から帰ってくると、
家の裏から先に帰っていたあかねと、かすみさんの話声が聞こえてきた。
「う〜ん。この花、どこかで見たことあるのよねー。」
「本当に可愛らしいお花ね。種が風に乗って飛んできたのかしら?」
何やら2人でしゃがんで話しこんでいるから、その後ろに立って覗き込んでみた。
庭に咲いている花を見ているようだ。
色違いの2つの花。
こんな季節に、珍しい…。
っていうか、俺も見たことがあるような…。
「あ!思い出した!この花はシャンプーの…」
あかねがそう言いかけた時、
その花を摘んだかすみさんがあかねの頭にひょいっと乗せた。
「まぁ!あかねちゃんは本当にお花が似合うわね。」
あ〜〜〜〜!
その花は!!
かすみさんが何気なくなくとったその行動に、俺も花の正体を思い出した。