Short Novel
□涙を見せない君に
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キーンコーンカーンコーン
「お待ち!乱馬!」
「べーっ。ここまでおいで!」
あかねがカバンをブンブン振り回しながら、乱馬の後を追って校舎を飛び出す。
乱馬が転校してきてから、さほど日も経っていない風林館高校のとある放課後。
乱馬が来てからというもの、毎日のようにみる光景だ。
乱馬があかねの振り回すカバンをひょいひょいと避けていると…
前方から、聞き覚えのある嫌な声が聞こえてくる。
「天道あかね〜〜交際しよう〜〜〜〜!」
「九能先輩?!」
「げっ九能!」
乱馬とあかねは走っていた勢いを借り、
猛突進してくる九能に飛び蹴りを食らわした。
ばきっっ!
ズシャ…
哀れ、倒れ込む九能。
乱馬とあかねは、そのまま素通りしてスタスタと学校を後にした。