Short Novel
□僕たちの変化
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ある日
学校からの帰り道。
ひろしと大介とで買い食いをしていた乱馬は、商店街を抜けた辺りで前方にあかねの姿を見つけた。
風林館高校のブルーの制服に、まだ切って間もないショートカット。
それに、あの乱暴な歩き方は間違いなくあかねだ。
すっかり暗くなり始めたこの時間に、あかねがまだ外をうろついているなんて珍しい。
普通に声をかけようかと思った時、乱馬の悪知恵が働いた。
少し驚かしてやろうか。
乱馬はニヤリと笑うと…
そろりそろり。
足音を立てないように、背後へ近づく。
すると、あかねはすぐに体を強張らせると、
振り返ることなく前を向いたまま、急にスタスタと早足で歩き始めた。
(ほほー。)
あかねも無差別格闘流の2代目。
下手をしたら、学校にいる乱馬以外の全ての男子生徒よりも強い。
自分が後をつけられている気配が、すぐにわかったようだ。