Short Novel
□気にかかる
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「どいてっ」
イラついた口調でそう言うと、
あかねは自分の肩に置かれた手をグイッと捻り上げた。
「痛ててて!」
「そんなに怒らないで〜。」
もう1人の少年が茶化すように言うと、今度は後ろからあかねに抱き付こうとした。
ピシィッ
「痛っ」
乱馬が飛ばしたピーナッツが、
抱きつこうとした少年のおでこに見事命中する。
「おめぇら。女1人相手に、2人がかりで何やってんだ。」
乱馬が、揉めていた3人の中に割って入る。
「えっ!あはは、何だ〜彼氏いたのー。」
少年達は愛想笑いをすると、そそくさとその場を離れて行った。
「彼氏じゃねーし。」
乱馬がチラリとあかねを見やる。
「…勝手に手助けしないでよ。
あんな奴、裏拳でぶん殴ってやったのに。」
「何だよ、可愛くねぇな。」
「可愛くなくて結構よ。」
あかねは乱馬を睨み付けると、
ふんっと鼻息荒く、またスタスタと歩き出した。