Short Novel
□ヤキモチをやく君に
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「シャァンプーー!」
ギュウー!
めい一杯抱き付かれるあかね。
「誰がシャンプーなのよ!」
バキッ
あかねがすかさずアッパーを決めた。
アゴに強烈な衝撃を受けたのはムースだ。
急いでメガネをかけて、自分が抱きついた人物を確認する。
すると、あかねが膨れた顔で睨み付けていた。
「なんじゃ。天道あかねか。」
「あのねぇ。」
自分から抱き付いておきながら、シャンプーでは無いとわかると途端に冷めた態度。
本当にムースという男はシャンプーにしか興味がないようだ。
「シャンプーなら、商店街で会ったわよ。
乱馬を見付けて、またいつもの追いかけっこが始まったけど。」
「何じゃと〜!おのれ早乙女乱馬っ。
いつもシャンプーを誘惑しおって〜!」
「あのねぇ!追いかけ回してるのはシャンプーでしょうがっ。」