Short Novel
□良妻賢母
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「そういえば、乱馬くんの唇が人間のものとは思えないほど腫れ上がって寝込んでたこと、あったわね。」
なびきがせんべいを食べながら言った。
隣でかすみさんがほのぼのとした様子で頷いている。
「あったね〜早乙女くん。母性花。」
「あったね〜天道くん。」
のん気に縁側で囲碁を打っているのは、親父とおじさんだ。
そんな感じで、みんなが居間でくつろいでいる中、あかねはというと…
「さっ洗濯物取り込まなくちゃ!」
一人バタバタと掃除に片付け、洗濯物の取り込みなど、せわしなく家事をこなしていた。
あかねの頭に乗っている、母性花という花。
シャンプーの幼なじみである双子、中国薬菜村の毒草使いピンクと薬草使いリンク。
その2人が共同開発した、頭につけた者がみな良妻賢母になってしまう花だ。
ピンクとリンクは
シャンプーに虐められた仕返しで、はるばる中国からやってきた。
そういえば、天道家の風呂場が母性花の苗床になっていたっけ。
きっと、もめ事の最中に種が庭に散らばったのかもしれねぇな。
いや〜、あん時は巻き添えをくらって、本当エラい目に遭ったぜ。