Short Novel
□Smile again
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そんな風に、夢の余韻に浸っていると…
ガチャ!
「あっ乱馬、起きてたの?おはよっ!」
突然洗面所にあかねが入ってきたもんだから、
思わずブーッッ!と、歯ブラシごと吹き出してしまった。
そんな俺に、何やってんのよと引き気味に言うと、あかねは隣でさっさと歯を磨き始めた。
「うるせー。」
あ〜びびった。
お前の夢見てたもんで…なんて、口が裂けても言えねーな。
口をゆすぎながら、チラリと盗み見ると。
あかねは鏡に映る自分を見つめたまま、しゃこしゃこと歯を磨いている。
…あんな夢、見るもんだから。
ふと。
思っちまうんだ。
また俺に笑いかけて欲しいと。
「…。」
見られている気配を感じたのか、あかねが鏡越しに俺を見た。
「!?」
目が合ったのは、
べーっ!っとベロを出して変な顔をしている俺。
ブーッッ!
「何なのよ!あんたは!」
思わず俺みたいに歯ブラシを吹き出すあかね。
子供じみたちょっかいに、
グシャ!と力一杯押し潰された。