長編

□誰かが背中を押したとき2
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しばらくして準備を整えたあかねは、
必要なものを詰めた大きめのリュックを背負い、玄関へ向かった。


階段を降りると、もう乱馬は靴を履いているところだった。


玄関ではすでに他の天道家の面々が待ってくれている。


「遅せーんだよ。」

「何よ。女の子は何かと物入りなのよ。」


お互い睨みあいながら、あかねも靴を履く。


「それじゃ、乱馬くん、あかね。
気を付けて行ってくるんだよ。これ、電車賃ね。」

そう言って、早雲は嬉しそうにがま口タイプの小さな財布を渡した。


「サンキュー、おじさん。」

「あと、困った時は電話しなさい。」


化け物退治なんて、そんなにおおごとじゃないのに。

2人が不思議そうな顔をしていると、玄馬が唐突に乱馬へ抱きついた。

「乱馬ー!据え膳喰わぬは男の恥だぞ!心して行くようにっ。」

後ろで早雲が、うんうん許す許すと頷いている。


「何考えてんだおめーら!
俺達は化け物退治に行くんだぞっっ!
っつーか、抱きつくんじゃねー!気色の悪い!」

グシャ!

全身鳥肌の乱馬はそう声を荒げると、
めい一杯力を込めて玄馬を床へと叩き潰した。



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