長編

□誰かが背中を押したとき4
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宿泊客の記入用紙に、
すでに書かれていた夫婦のような2人の名前。


何だこれはぁぁ!

何なのよこれはぁぁ!


横で見ていたあかねも驚きすぎて、声にも出せない。


(ふ…普通書いとくかよ?!)


さらに用紙の下の欄を見て、
やはり部屋も1室しか取っていないことにも気付いてしまった。


真っ赤な顔でひたすら固まる2人に、
早く早くと再び仲居が記入を促す。


ぶるぶる震える手で天道家の住所と連絡先を殴り書きする乱馬。

(よく考えたら、あかねんちだぞ!?何で俺が書いちまってんだ…!)


渡されるままに書き始めたが、何だか旦那ぶってんじゃねーか?

などと、別にどうでもいいことで完全にパニックになっている乱馬の横で、
あかねが女将へおずおずと声をかけた。



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