長編

□Illuminations2
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「………。」

畳の上に落ちたケーキ。



4人はそれを見つめたまま、しーんと静まり返ってしまった。



…重苦しい空気が天道家の居間を覆う。


さすがにこれはまずいと思ったのか、乱馬なりに必死になってあかねに謝る。


「あ、あかね、悪かった!
でも、どーせ失敗だったんだし、今から新しいの買いに行こうぜ!俺が買うからさ!なっ?」

「失敗……?」


しかし、再びあかねの肩がワナワナと震えだした。



「…失敗なんかじゃないわよ!!
シャンプーと右京の料理は受け取るくせに…!!
乱馬が早く食べないからよ!バカバカ!」



あかねと乱馬の後ろで、右京とシャンプーがあれはケーキだったのかとコソコソ話をしている。

小バカにされた気分になり、それだけでも爆発寸前のあかねに対し、

謝ったのにバカと連呼され、ついカチンと来てしまったのだろう。

乱馬がとどめの一言を放った。


「あのなー、二人は一応料理人なんだぞ?プロと張り合ってどうすんだよ。
どう考えたって敵うわけねーだろ?」


「……何よ!!乱馬のバカーーーー!!」


ばっちーーーーん!


とうとうブチ切れたあかねが、乱馬に思いっきり平手打ちをお見舞いしてやった。

痛がる乱馬を無視して、そのままどすどすと足音を立てて玄関へ向かう。



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