長編
□Illuminations3
1ページ/5ページ
***
気が付けば、辺りはすっかり暗くなっていた。
時刻はすでに18時頃。
夏の時期はまだ明るかったこの時間も、冬の今頃はとっくに太陽も沈む時間だ。
そして、昼間よりも
さらに寒さは増していた。
あかねはしばらく隣町の公園にいた。
始めは、近所の公園へ行こうと考えていたのだけれど。
もし誰かと歩いている乱馬に出くわしてしまったら…
そう思うと堪らなくなり、なるべく遠い公園で時間を潰していたのだ。
しかし、
ただじっと座っているだけでは、寒いだけ。
ずっと我慢をしていたが、やることもないし、
乱馬はさておき家族は心配しているかもしれない。
くしゅん…!
ひとつくしゃみをしてしまったところで、風邪を引けば益々馬鹿にされると思い、渋々帰ることにした。
「…帰りたくないけど…。」
思わず独り言がこぼれる。
帰っても、どうせ乱馬はシャンプーか右京と一緒に出かけてしまっているだろう。
“シャンプーか右京と過ごすんだから、関係ないでしょ!!”
自分で言ってしまった言葉が、何度もあかねの心に突き刺ささった。