長編
□Illuminations4
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はぁ はぁっ
走りながら、乱馬が自分を探しそうなところを回ってみる。
近所の空き地。
公園。
それでも乱馬は見当たらなかった。
外出してからだいぶ経っているようだから、乱馬も隣町まで行ってしまっているかもしれない。
“乱馬、ありがとう”
この言葉を、早く伝えたかった。
意外にも、乱馬は自分のためにプレゼントを用意してくれていた。
家にあったツリーではない、あかねの為だけに買ったであろう、小さなツリー。
きっと、あかねが怒って出て行った後に、みんなに見つからないようにこっそり用意してくれたのだろう。
今日一日の寂しさが全て吹き飛んでしまえたくらい、とても嬉しかった。
はぁ はぁ…
寒空の下、この街のどこかで乱馬はまだ自分を探してくれている。
早く、会いたい…!
あかねが曲がり角を曲がろうとした時、
「あかね!」
突然後ろから、自分の名前を呼ぶ声がした。