長編
□変わりゆく心2
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次の日の朝。
乱馬が学校へ行く支度を整えて居間に向かうと、あかねがすでに朝食をとっていた。
みんなから遅れてやって来た乱馬に、あかねが元気なさげに声をかける。
「おはよう…乱馬。」
「おう…ん?おめー学校にまでその指輪して行く気か?」
あかねの横に座った乱馬は朝の挨拶もそこそこに、昨日老人に貰った指輪を、あかねがまだ付けている事に気が付いた。
「……。」
しかし、乱馬の問いかけに、あかねは黙ったままもくもくと朝食を食べている。
「?」
「色々やっても取れないのよ。」
乱馬が不思議そうに首をかしげていると、その様子を見ていたなびきが口を挟んだ。
なびきの話では、昨日疲れて指輪を付けたままで眠りについたあかねは、朝起きて指輪が外せないことに気付いたらしい。
そこで、なびきやかすみ、のどかの協力のもと、石鹸水やら油やらで色々試してはみたのだか何故か全く取れる様子がなかった。
こうして、乱馬がまだ寝ている間、朝からちょっとした騒ぎになったのだと言う。
とうとう諦めたあかねは、今はしょんぼりご飯を食べているのだそうだ。
「可哀想に…。乱馬、何とかしてあげられないかしら?」
心配するのどかが、オロオロとしながら乱馬に声をかける。
「何とかっつったって…。」
そんな中…