長編
□変わりゆく心3
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「わーん!ただ取りたかっただけなのにぃー!」
こうして、わんわんと泣きべそをかくひな子先生を見て、あかねは自分のせいで色んな人に迷惑をかけてしまっていると、さらに落ち込んでしまったようだ。
「はぁ…。」
「まぁ…、その…。元気出せよ。必ず外せる方法があるはずだ。」
あまりに落ち込んでいる様子のあかねに、さすがの乱馬も今度は真面目に話しかけた。
「うん…。」
そうは言っても、どんな方法を使っても抜けなかった不思議な指輪。
外す方法は、この指輪をくれた老人に会って聞くしか無さそうだ。
同時に、乱馬もあかねも、あかねが拳を振るわなくなったのも、この指輪が原因だと思っていた。
明らかにこの指輪をはめてから、あかねの様子が変わったのだから。
しかし、何の意図があって殴ったり蹴ったりしなくなるのか、この指輪が存在する意図が全くわからなかった。
「はぁ…。」
あかねは更に更に深い溜め息をつく。
偶然出会ったその老人を探す当ても無いあかねは、ただただ途方に暮れるしかなった。