長編
□変わりゆく心6
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「ぬわにぃぃぃ!許婚を解消〜〜!?」
学校から帰宅した夕飯時、
再び早雲の断末魔のような叫びが天道家に木霊する。
「そうよ。みんなの前で高々と宣言しちゃって、学校でも大騒ぎだったのよ。」
「お姉ちゃん!」
あかねが余計なことを言うなとばかりに止めたものの、
なびきは早速早雲に今日学校であったことを話し出した。
あかねの隣でご飯をかき込んでいた乱馬も、喉を詰まらせゲホゲホと咳き込む。
「あかねぇっ。どういうことか説明しなさい!」
「…説明もなにも、なびきお姉ちゃんが言った通りよ。」
あかねは観念したのかため息をつくと、開き直ったかの様に早雲にそう答えた。
「あかね、乱馬くんがこの道場を継ぐのは変わりのない事なんだ。あかねが許婚をやめても、なびきかかすみが許婚になるだけなんだよ。」
「なら、なびきお姉ちゃんで良いじゃない。前にもこんなことがあったんだし。」
あかねは以前なびきと許婚を交代した時の騒動を例に挙げると、更に冷たく答えた。
「うわぁぁぁん!あかねぇぇ!」
あかねの冷たい態度に、早雲はわんわんと子供のように泣き出してしまった。
そんな早雲を、またかすみがよしよしと優しく背中を擦りながら励ます。
「あかね。子供じゃないんだから、いい加減私も怒るわよ。」
あかねの冗談なのか本気なのかわからない発言にさすがに笑えないのか、なびきが珍しくあかねに苦言を呈した。