長編
□変わりゆく心8
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「いってきまーす!」
乱馬は早くあかねに会いたい一心で、勢い良く学校へと走り出した。
近道をしようと軽々塀を飛び越え、民家の屋根から屋根へと飛び移る。
しかし
民家の屋根から飛び降りて、商店街を走り出そうとした時、
チリンチリーン
と、聞き慣れた鈴の音が聞こえてきた。
まさか。
嫌な予感がした乱馬は振り返ることなく、シュタシュタと走る速度を速めた。
それでも普通に自転車を漕いで、乱馬を追いかける事が出来る人物は…
「ニーハオ!乱馬!」
中国娘、シャンプーだ。
「んだよっ 朝っぱらから!遅刻しそうなん…だ〜〜っ危ねぇだろっっ!」
焦る乱馬をよそに、ゴロゴロと喜んで抱き付こうとするシャンプー。
「この前は邪魔者が入って失敗してしまた。今日こそはデートするよろし!」
「俺は学校行かにゃならんのだ!」
昨日、許婚を解消させたところまでは良かったが
その後3人娘の間で乱闘が始まってしまい、気が付いたら乱馬もあかねも家に帰ってしまっていた事を根に持っているらしい。
しかし、乱馬が語気を強めて拒否を示すと、シャンプーが急に追い掛けるのを止め、自転車を止めてしまった。