長編
□Sweet panic2
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「ただいま!」
家に帰り、あかねが息巻いて玄関の引き戸を開けると、ちょうどかすみが出迎えてくれた。
「お帰りなさい、あかねちゃん。」
「ただいま、お姉ちゃん!乱馬帰ってる?」
「え?乱馬くんなら道場にいるんじゃないかしら。」
「ありがとう!」
キョトンとするかすみに礼を言うと、あかねはドスドスと足音を立てながら2階にある自室へと階段を上っていった。
「あかねちゃん、乱馬くんとケンカでもしたのかしら…?」
かすみは首を傾げてそう言うと、夕ご飯の支度をしようと台所へ入っていった。
パタン…
ぼぼぼぼ…と闘争心を燃やす中、
あかねは部屋に入るなりカバンを置いて、タンスから1枚のワンピースを取り出した。
「これ…もう着てみようかな。」
肩の部分とスカートの裾がフリフリしている、薄い黄色のノースリーブのミニ丈。
普段は夏の暑い時期に気に入ってよく着ているものなのだが、この時期にはまだ早いくらい露出の高いワンピースだ。
明らかに、先程会ったシャンプーを意識したチョイス。
どうしてだろう。
挑発されたワケでもないのに、意識せずにはいられなかった。