長編
□Sweet panic3
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夕食の時間。
いつものようにみんなで食卓を囲むが、今日の天道家の居間は、しーんと静まり返っていた。
隣同士に座っているにも拘らず、お互いそっぽを向いている乱馬とあかね。
2人の只ならぬ雰囲気に、早雲とパンダ姿の玄馬は大量の冷や汗をダラダラ垂らしながら、ただ黙ってご飯をかき込んでいる。
この空気を作っている原因の一人であるあかねは、すっかり意気消沈してしまったようで、
肌を隠すようにして、ワンピースの上に白いカーディガンを羽織っていた。
引き金となったグロスも、もうきれいに拭き取ってしまっている。
「乱馬くんとあかねちゃん、まだケンカしているの?」
気まずい空気を消し去ろうとしているのか、それともこの空気に気付いていないのか。
やっと口を開いたのは、かすみだった。
「どーせ、また乱馬くんがあかねにヒドイ事言ったんでしょ?」
本当毎度呆れるわと嘆くなびきに、乱馬がふてくされ顔で反論をする。
「ケンカもなにも、俺は被害者でぃ!」
乱馬の言葉に、あかねがギロリと睨み付ける。
その迫力にビクつく乱馬を見て、やっぱり乱馬くんのせいみたいよとなびきがポンッと肩を叩いた。