長編
□Sweet panic3
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「あかねが勝手にキレ出したんだぞ?くぉら、あかね!俺が一体何したって言うんだ?」
全くもって身に覚えがないと、納得のいかない乱馬があかねに食ってかかる。
「……。」
「おいっ!聞いてんのか?理由を言え!理由を!」
あまりにもしつこく騒ぐので、それまで黙っていたあかねがいよいよ持っていた箸を
ボキリッ!
と、片手でへし折った。
全員が「あ!」っと思った瞬間。
「〜うるさいっ!あんたはデリカシーが無さ過ぎなのよ!もう大っっ嫌ーい!!」
あかねは勢い良く立ち上がり乱馬の腕を掴むと、そそのまま「でやーっ!」という掛け声と共に、一本背負いで庭の池へと放り投げた。
ばっしゃーーーん!
「ぶはっ!冷てぇっ!何すんだー!」
水しぶきが高く飛んだ池から、少女になったらんまが慌てて這い上がる。
ゲホゲホと咳き込みながら顔を上げると、拳を震わせて仁王立ちをしているあかねと目が合った。
何をそんなに怒っているのか。
庭に放り出された自分と、居間にいるあかねの距離はさほど遠くはないのだが。
見当の付かないらんまからしてみれば、その距離はとてつもなく遠くに感じられた。
そんな困惑顔のらんまに対し、あかねは「ふんっ」っと鼻息荒く視線を逸らすと、
かすみにご馳走様と声をかけて居間を出て行ってしまった。