長編

□Sweet panic4
1ページ/8ページ


“安心しろっ。お、おめーの下着姿なんか見たって、何とも思わねぇんだからな!”




その言葉を聞いた瞬間、

あかねの中で何かがプツリと切れた。



「さっきだって、あんな季節外れな格好…頼むから早く着ろ!聞いてんのか?」

その様子に気付きもしないで背を向けたまま話し続ける乱馬に、あかねが声を荒げた。

「嫌でも聞こえてるわよ、馬鹿!」

何ごとかと驚いて振り向くと、あかねが乱馬の胸ぐらを両手で勢い良く掴み上げた。

持っていたワンピースがあかねの手からスルリと抜け落ちる。


「ちょっ、あかね…」

「わかってんの?今、下着姿なのよっ?私。」

「だっだから、早く服を…」


慌てる乱馬の胸ぐらを、更に力強くギュッと掴む。


「そんなに私って、魅力がない?!私じゃ何してもダメってこと?!今日だって…!
今日だって私は、ただの親が決めた許婚って関係を変えたくて頑張ったのに!
そんなこと言われたら…!」



溢れ出した思いが次々言葉となって、あかねの口から一気に発せられる。

胸ぐらを掴み上げた手と、声の震えが止まらない。



「もう、どうしたらいいかわかんないわよ…っ。」

「おめー、何言って…」


思いもよらなかったあかねの言葉に、乱馬は声を詰まらせた。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ