長編
□Sweet panic4
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“安心しろっ。お、おめーの下着姿なんか見たって、何とも思わねぇんだからな!”
その言葉を聞いた瞬間、
あかねの中で何かがプツリと切れた。
「さっきだって、あんな季節外れな格好…頼むから早く着ろ!聞いてんのか?」
その様子に気付きもしないで背を向けたまま話し続ける乱馬に、あかねが声を荒げた。
「嫌でも聞こえてるわよ、馬鹿!」
何ごとかと驚いて振り向くと、あかねが乱馬の胸ぐらを両手で勢い良く掴み上げた。
持っていたワンピースがあかねの手からスルリと抜け落ちる。
「ちょっ、あかね…」
「わかってんの?今、下着姿なのよっ?私。」
「だっだから、早く服を…」
慌てる乱馬の胸ぐらを、更に力強くギュッと掴む。
「そんなに私って、魅力がない?!私じゃ何してもダメってこと?!今日だって…!
今日だって私は、ただの親が決めた許婚って関係を変えたくて頑張ったのに!
そんなこと言われたら…!」
溢れ出した思いが次々言葉となって、あかねの口から一気に発せられる。
胸ぐらを掴み上げた手と、声の震えが止まらない。
「もう、どうしたらいいかわかんないわよ…っ。」
「おめー、何言って…」
思いもよらなかったあかねの言葉に、乱馬は声を詰まらせた。