アオイトリ
□アオイトリ〜始まる日〜
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「理事、長……っ理事長、やめて、抜いてっ、イヤ、嫌! あ…はぁっ、ゃあ、んっ」
「それこそ、イヤ、です」
貫いたあと、彼は直ぐに動き出すようなことはせずに、慣らすようにゆるゆると、浅く内側を擦ってきた。
直接ナカにほどこされるやわらかな愛撫に、意図しない甘い声が勝手に漏れる。
それが嫌で、ギュッと唇を噛むと、ついばむようなキスで咎められた。
繋がった部分から漏れる淫らな水音が、理性を狂わせてゆく。
手が自由ならば、この熱を多少は逃がすことも出来たのに、どこにもすがりつけず、翻弄されるままになってしまう。
どうして。
「茅乃さん、素敵ですよ……、我慢、しないで……」
「っ…ふ、あァ……ッ、っあ…ゃだぁ、ぁ、んっ、」
睦言を流し込みながら、彼の舌が耳朶を噛み、中まで侵そうとしてくる。弱いところをしゃぶる音に馬鹿みたいに反応して鳴き声を上げた。
経験があるだけに始末が悪い。間違いなく自分自身のものだというのに、この躰は私の意思に反して、勝手に快楽を追うのだ。
どうすれば気持ちいいかなんて、知っている、カラダ。
犯されてるのに、悦楽の波が押し寄せて、腰が、自ら動いた。
彼が巧みなのか、私がおかしくなっているのか、もう拒むことすら忘れて、その瞬間を求める。
ズルリと、深く浅く抜き差しされるうちに、限界が、近くなってくる。
それは相手もそうなのか、抽出が速く激しくなって、否応なく、頂点まで連れて行かれた。
「っあぁ、ンッん、ダメッ……ダメぇ…ッぁ―――ッ」
「……茅乃さ、……ぅ!」
胎内に、直接熱いものが吐き出され、私はそれ以上耐えられなくなって―――全てを放棄し、瞼を閉じた。
目が覚めたら。全部夢だった、なんて都合のいい展開を期待して―――