アオイトリ

□L'Oiseau bleu. 3〜ザ サン〜
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家に帰ってまず目にするのは茅乃さんにベッタリひっついている我が息子。

膝の上で本を読んで貰い、ニコニコと甘えている様子は可愛い。
しかしそれは対象が茅乃さんでなければの話。

大人気ないと言われようが、茅乃さんの愛情を奪い合う上で、現在一番の障害であるのだ、コレは。
帰ってきた私を認めて嫌な顔をする憎らしい息子の方も、そう自覚している。

「ただいま」

膝に太陽が居ようが構わずキスをして、いつものように怒られる、が、照れているだけだとわかっているので気にしない。

「……もうっ、おかえりなさい。お父さん帰ってきたからご飯にしようか、太陽」

はい、と素直に頷き、茅乃さんの後に付いて回る息子を抱き上げた。
親子のスキンシップ。
……ではなくライバルを牽制するために。

ジロリと睨む息子にニッコリ笑ってやる。

「おとうさま、かえるのさいきんはやいですね?」
(まだかえってくるんじゃねーよ)

「早く太陽とお母さんに会いたいからね」
(茅乃さんは私のなんですから独占は許しませんよ)

やあね、暁臣くんたらベタベタじゃない、と笑顔で言う茅乃さんはやっぱり私と息子の密かな攻防に気付かず。

今日は太陽が時間切れで寝るまで、構い倒してやった。




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