トリハナニイロ

□はみだし廉&朔耶
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アオイトリX脇エピソード。

「すごいの、茅乃さんてお兄ちゃん達を叱れるんだもん! キレイだしカッコイイの!」

 暁兄の彼女さんに会ってからというもの、朔耶は“茅乃さん”の話ばかりだ。
 姉妹が欲しかったという朔耶の理想のお姉さん像にピタリとハマってしまったらしい。

 正直、妬ける。

 女の人で良かったと思うくらいの気に入りよう。

「でも、お兄ちゃん達が怒らせちゃったから、しばらくは家に来ないだろうなって。もっとお話したかったなぁ…」

 しかしあの暁兄や宵ちゃんを叱れるとは貴重な人だ。
 暁兄の秘書になってくれないかな。

「でね、茅乃さんが来れないなら朔耶が会いに行っちゃおうと思って。 廉ちゃん、学園まで送ってって♪」

 がくー。呼び出した用事はソレかよ…。いつものことながら、俺は朔耶の何なんだ。

 ん、というか。

「あ〜…、今日は行ってもダメだと思うぞ……、」

 朔耶が首を傾げて、何で? と問う。

 だって暁兄午前中で仕事終らせてたし。

 明日休みだし。
 自分の車で帰ってたし。

 多分きっと…、



「何でぇ?! お兄ちゃんばっかり独り占めしてズルイ!! 邪魔してやるぅ!」

 いや独り占めって、そもそも暁兄の彼女だし。


 …てゆうか、ヤメテー! 邪魔ヤメテー! 殺されるーーー!!



“お姉さん”に会えなかった朔耶の機嫌を取るために、俺はその日散財を強いられたのだった……。


end.
 

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