アオイトリ

□L'Oiseau bleu 2. 〜惑・madoi〜
1ページ/15ページ




授業が終わって部活が始まる、その空いた時間を狙ったように携帯が鳴った。

……理事長。

今日会うはずなのにせっかちな人だ、と思いつつ電話に出る。

疲れたような声で、
迎えに行けなくなったという詫びの電話だった。

仕事で厄介ごとがあったらしい。

なら今日はナシですねと言うと、
ムキになってホテルで待ってて下さいという要求。

そんなにシタイのかしら。



……まぁ、さすがにね、

最近は。


理事長が私の事を
どう思っているのかなんて、薄々気付いてる。


だけどハッキリ言葉にされたことはないし、
私の方こそ
彼をどう思っているかなんて、
自分でも
まだわかってない。


嫌い、ではない。

好き、と言うには納得がいかないものがある。




身体で繋がっている、

曖昧で不確かな、

この関係を


言葉にするには


もう少し、時間が必要。






 L'Oiseau bleu 2.
〜惑・madoi・〜



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ