「――終わりにしましょう」嫌です、と喉まで出かけた言葉は音にすることは出来なかった。微笑んだ彼女が、今までのどの時よりも美しくて。その強い瞳に何も言えなかった。無言を肯定として、彼女はこの部屋のキィをテーブルに置く。いつもどこか頭のすみにあった、光景。幾通りも自分のとるべき行動を考えた。――だが、いざその時を迎えると。何もできない自分を思い知る。「さようなら、――理事長」応えないのがせめてもの抵抗だった。アオイトリ] 〜青い鳥〜 →次へ [戻る] [TOPへ] [しおり] カスタマイズ ©フォレストページ