宝物
□恋愛destiny
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例えば運命の赤い糸とかを信じてみたり、
出会いは偶然じゃなくて必然だと信じてみたり、
だから想いは必ず叶うと信じてる
「ゾンビ君はそーゆーの嫌い?」
「くだらねぇな」
そんな反応するとわかっていたけど、聞いてみた。
ちょっとだけ期待して。
「でも俺はそーゆーの信じてるからね」
「…気持ち悪ぃ奴」
やっぱりバカだな、なんて笑い飛ばして相手にされてない感じ。
でもね、
例えばそのしなやかな指も、
薄めだけど艶っぽい唇も、
すぐに俺の物になるんだよ?だってそれは決められているから
(もう俺が決めたから)
「ゾンビ君…俺、ゾンビ君の王子様になりたいんだ」
「………はぁ!?」
冗談のつもりはさらさらない。
真っ直ぐと見つめる視線に動揺を隠し切れてない。
「ね、ちゅーしていい?」
「っ…ちゅーってなんだその言い方!!恥ずかしいな、お前は!!
つ、つーかだな…そんな事いちいち聞くなっ」
どんどん真っ赤になってくのが可愛くて何も言わず黙ってしまった。ムスッとした表情で見上げたゾンビ君はそのまま1歩、俺に近付く。
ほらね、やっぱり運命は少しずつ近付いてくる
もうすぐ。もうすぐ。
end