ゾロ×

□再会の夜(★)
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こんな暗がりの中でだって互いの存在をくっきり感じていられる位に、深く繋がって、感じて、抱き合ってるってェのに。


『…ゾ…ろ』


まだまだこの男が足りねェ、欲しい、と思うのは、俺の頭がおかしいんだろうか。


『、ゾロ…っ』


その思いは知らず言葉に滲んでしまったようで。俺の声は思いの外、切羽詰まった響きがした。


『…これだけして、まだねだるか』


ふ、と小さく笑いを含んだ吐息。敏感に俺の欲望を感じとったゾロは、僅かに口元をゆるめた。


『ならちゃんと…言ってみな』


そう言われて目が合えば、金色に透き通った瞳。

ごく近くで光を放つそれに、ドキリと胸が鳴る。

2年経っても、いや2年経っているからこそなのか、その光は俺を惹き付けて止まない。


『――俺が欲しい、って。言えよ』


一段と低く、掠れかけたゾロの声。

もうその響きだけでゾクゾクと震え、後頭部からボゥと痺れてしまう俺は、本当にどうかしてる。

なのにこんなにも簡単に視線に捕らわれてしまう俺では、ごまかす術も見つからなかった。


『…っまえが…、ほし…』


思わず口に出し、カッと顔に血が集まるのを感じる。

それでも僅かに残る意地で視線を合わせたまま告げると、ゾロの目は楽しそうにすっと細められた。


『くく、こういう所は素直じゃねェか』


恥ずかしい。

なのに反して、繋がっている部分はズク、と焼き付くように疼いた。


『じゃァ今夜はもう、寝かす気ねェから』

『…っ』


覚悟しろよ、と悪い顔で笑うゾロに、吐息を隠すように唇を噛む。


あァクソ、俺こんなに
―…期待している。


『……っ』


そんな自分に堪らなくなって思わず息を吐けば、ゾロはその息ごと食らい付くように唇を重ねてきた。


『、む…っ…』


舌を吸われて、クチュと唾液が混ざり合い音を立てる。
促されるまま口を大きく開き、舌を深く差し出す。唾液が顎を伝うが構わない。それすら欲を高めるスパイスだ。


『、サン、…っ』


熱っぽく求めるゾロにされるがまま、律動に揺らされて、翻弄されていく。

それが嬉しいだなんて、末期的だ、けれど。


『ぞ…、ろ…っ』


2年前と変わらない、体の芯から熱くさせる唇に、安堵と興奮が入り交じる。


会いたかった。


胸の奥から切ないような愛しさが沸き上がって、今にも言葉が口から零れ落ちそうだ。


『、…ゾロっ…』


でも素直にばかりなるのは悔しくて、俺は自分の口をゾロの唇で思い切り塞いだ。


 
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