ゾロ×
□始まり(サンジside)
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何か気になっちまうんだ。
アイツを見つけりゃ声をかけずにはいられねェ。
でも用もねェから、ケンカふっかけるしか声を聞く術が分からねェ。
そう、俺はゾロに惚れちまってる。
『おぅおぅ、今日もマリモは光合成か?ったく、ちったァ働けコラ!』
ゾロはみかんの木にもたれて寝ていた。
木漏れ日に反射してまだらに光る緑の髪。
頭の後ろに組んだ腕の逞しさ。
…やべェ、それだけで俺はドキドキしちまう。
ゾロは無視して寝続けている。
ちっ寝てちゃ声も聞けねェ!
『てめェ、寝たふり決め込んでもバレバレだっつーの。』
かがんでゾロの顔を覗きこむようにした。
無防備な寝顔しやがって…。
『…マジで寝てんのか?』
ピクリとも動かないゾロ。
やっぱ起きねェ…か。
よく寝てるみてェ…今なら…。
俺はゾロの顔ギリギリまで自分の顔を近づけて、目を閉じた。
お前は知らねェだろうが、俺はお前が、好きなんだぜ…?
ホントはこうして近くにいてェんだ。
触りてェし、触られてェ。
今も、こんなに心臓がバクバクする位ェ…。
額に微かにゾロの熱を感じ、そっと目を開くと。
瞳は閉じているものの、真っ赤になって眉間にシワを寄せた、ゾロの顔がそこにあった。