ゾロ×
□剣豪VS眼鏡コック(★)
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『あ〜合わねェ〜…!』
夜のキッチン。
眼鏡を掛けたコックがそろばんを弾いている。
『…合わなくても、いいんじゃねェの。』
『ダメだ。ナミさんから食費を預かる身としちゃァ、1ベリー足りともズレは許さねェ…。』
食費の収支が合わねェらしい。
さっきからずっと、そろばんと睨み合いだ。
…んなもん、大体でいいんじゃねェの?
また口から出て行きそうな言葉を酒で流し込む。
これもコックの仕事の内だ。
…あんまりしつけェと、うるせェし。
俺はコックの隣に陣取って。
酒を飲みながら、終わるのを待っている。
『ん〜…。』
コックは真面目な顔で、そろばんを弾く。
眼鏡の奥の青い瞳は、伏し目がちで。
長いまつ毛が動くのが、よく分かる。
時々、細い指がこめかみの眼鏡の縁をいじったり、真ん中の縁を中指でスッと直したり。
あァ、なんか…。
眼鏡って、ソソルな…。
コックだからだろうか。
眼鏡顔の知的な品の良さの下に、…妖しい色気を感じさせる。
その隠れた色気を暴きたくなるっつーか…。
乱れた顔にしてやりたくなるっつーか…。
…あァ、早く終わってくんねェかな。
終わったら…そのまま、
ここで…