ゾロ×
□心臓はかく語りき
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夜中に目が覚めた。
…胸が、バクバクして。
深く眠れねェ。
どうしちまったんだ、俺ァ…。
寝付けそうにねェ俺は、ハンモックから抜け出した。
甲板に出ると、夜の海。
夜の海は好きだ。
精神を落ち着かせ、無心の境地にすぐなれるから。
船の手すりに肘を載せ、海原を眺めた。
暗く、黒い海…船が砕く波の音に目を閉じた。
近づく無の境地…
【俺…ゾロに惚れちまったみてェ…】
ド…クッ…!
途端に心臓が大きく跳び上がった。
ドクン、ドクン、ドクン…
…ダメだ。
夜の海を前にしても、こんなに集中出来ねェなんて、初めてだ…。
クソ…
あんの、クソコック…!