ゾロ×

□素直に(★)
1ページ/10ページ




コックには、癖がある。



『なァ…』



酒が入ると、ごく稀に。



『……しようぜ』



やたら絡みたくなるという、



嬉しい癖が。





『ッ…てめェ、また変な酔い方してんな……?』







【素直に】







何がきっかけかは、いつも分からねェけど。



それはいつも、突然やって来る。



今日は更に宿で相部屋。



小さな部屋にコト…とグラスを置く音が静かに響いた。



『オラ脱げよ…』



俺の目を上目遣いに見上げながら。



コックは唇の端を上げ、俺のシャツの裾をたくし上げる。



『エロコックらしい癖だな』



『へッ……いいから』



コックにも自覚はあるらしく、短く笑う。



『…俺にも、どうにもならねェの』



困ったように苦笑を浮かべた。



…俺もこんなコックは嫌いじゃねェから。



『仕方ねェな…』



勿体つけて、そんな事言いながら。



酒でいつもより紅く染まった唇に口づける。



『なァ、服…脱がせて…』



…こんな日のコックは素直で、エロい。



普段なら絶対言わねェ積極的な言葉が、俺の理性を飛ばそうとする。



『ゾロ…』



コックが俺の首に腕を絡めた。



酔いでふわふわと揺れる瞳は、頼りなげな光を映し。



ゆるく瞬きする様は、あどけねェのに艶っぽくて。



その不安定なギャップにクラリとさせられながら、引き寄せられるように口づけた。



ついばむように口づけながら、互いの服を一枚ずつ脱がし合う。



はだけたシャツをスルリと落とすと、白い肌がうっすら上気し桜色になっていて。



思わず、見とれた。



『……エロマリモ』



『…てめェがエロい体してっからだろ…』



互いに口元に少し笑みを浮かべながら。



じゃれるように、まさぐり合う。



『…ッ、…ん』



コックの、次第に熱っぽくなる仕草と吐息に、ウズウズと欲望を煽られる。



手のひらで、腰から背中をゆっくりと撫で上げた。



『ッん…は…』



びくんと素直な反応に、もっと感じさせたくなって。




『どうして欲しい…?』



俺もいつもならあまり言わねェ事を、つい言いたくなっちまう。



『ん……もっとキス、だ…』



素直なコックは…堪らなくソソる。



『…コック…』




 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ