ルフィ×

□プリンはシェリーに憧れる(★)
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俺はガキだけど




大人なサンジにも負けないって思ってた




今まで一度も、負けた事がねェからだ




戦いの強さでも






恋人としても。










【プリンは
シェリーに憧れる】







『ょし、上出来だな』


夜のキッチン。


出来た料理に満足げに腕を組む、サンジの後ろ姿。


気配を消して、そーっと近づく…


しし、今日もあの顔…してくれっかな。




『サンジッ!』


『ぉわッ!ッおい、ルフィッ!!』


『サンジ、ん〜…』


『ッあっこら、見える所に跡付けんなよ…!

…てンめェ、普通に入って来いよ!
いっつも脅かしやがってよォ…。

ッもぅ、分かったから放せって』


『ししし、はーい』


よっし!今日も大成功!


俺はニコニコしながらテーブルの席に着いた。




へへッ今日もサンジ、可愛かったなァ〜…。


俺、サンジびっくりさせんの大好き。


びっくりさせっとさ、最初は怒ったみてェな顔になるんだけど。


そのあと、真っ赤になって拗ねたみてェな表情になってさ…それが堪らなく可愛くて、色っぽいんだ。


『ったく…毎回んな事してっと、もう作ってやんねェぞ』


『…えぇ〜…』


『…んな顔すんな。ウソだよ』


サンジは、敵わねェなァなんて笑いながら、サラダにドレッシングをかけてくれた。


『サラダなんて久しぶりだな』


『だろ?』


新鮮な野菜、ジューシーそうな肉料理。


そして、生クリームたっぷりのでっけェデザート…今日はプリンアラモードってやつだ。



サンジは街で食材を仕入れた日は、こうして夜、俺にご馳走を作ってくれる。



みんなに内緒で。

俺だけに。



ま、仕入れた物を俺に荒らされないようにっていう意図もあんのかもしんねェけどさ。



特別扱いって、嬉しい。



『しし』


『あ?笑ってねェで食いな?』


『うん、いッただきま〜す!』



大口を開けて肉にかぶり付く。


ん〜ッ!


ッうっめェなァ〜!


『んぐ、ふめェよハンジ♪』


『ハハッ顔見てりゃ分かるよ。食い物を呑んでからしゃべれよな』


呆れたように笑いながら、テーブル向かいに腰掛けるサンジ。


そこがいつもの指定席。


食べてる俺を、そこから頬杖ついて眺めるのが好きなんだって。


俺もその時のサンジの、優しい目が好きなんだ。




『…?』




…けど


今日のサンジの視線…


少しだけ、違う…?



優しいんだけど…


ちょっと熱っぽく、潤んでて…。


なんか…視線に舐められてるみてェ…。




あれ、やべ…なんか

…ドキドキする…。




俺はどんどん食べ進めながらも、サンジの視線にドギマギした。


『…サンジ…あんま、見ねェで?』


『お…あァワリ、食いづれェな』


サンジはハッと我に返ったみてェに頬杖を外して、いつもの優しい笑顔を見せた。


煙草を取り出し、慣れた手付きで火を着ける。


煙が俺ん所へ来ないように、軽く横を向いてフ…と息を吐いて。



『あ』



…ふとその耳が、赤い事に気が付いた。


 
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