ルフィ×
□チョコレイトでぃすこ☆
1ページ/2ページ
『あ!チョコだな!チョコ!チョコ!あースッげェ楽しみだな〜!』
キッチンに広がる甘い香り。
それに釣られるように、キッチンにルフィがやって来た。
『あーイイ匂い!チョコ!チョコ!』
期待に輝くルフィの目に、サンジは少し呆れた顔をした。
『…おめ、食い物っつったら何に対してもその反応だな。毎度のおやつと同じじゃねェか…バレンタインのチョコの意味、分かってるか』
『な!んな事分かってるって!』
ルフィは慌てた。
『えー、サンジの愛を感じればこそですな〜、楽しみっていうか特別おいしく食べられるっていうかですな〜』
『ぶ、変な喋りすんな。ま、何にせよ楽しみにしてくれてんのは嬉しいからな。ホラよ』
『へへっありがとう!』
チョコの包みにしては少々大きいサイズの袋を受け取ると、ルフィはあっという間に包装を解きチョコにかじりついた。
『うんまぁぁ…!スッげうまい…特別うまい!』
『ふ、良かったな』
目を細めて満足げなサンジ。
モゴモゴとチョコを頬張るルフィの横で、微笑を浮かべタバコを吸い始めた。
そんなサンジを見上げ、ルフィは少しうつむいた。
『…ホントだぞ』
『ん?』
『おれ、ホントにサンジのチョコ待ってたから…サンジのチョコだから特別うまいんだからな…』
うつむき気味にボソボソ喋るルフィは、耳まで赤い。
『ぷっ』
サンジは吹き出した。
ちょっと言っただけなのに。
そういう所が可愛いやつだよオマエは。
『顔あげろ』
『サンジ』
『あァあ、口の周りチョコだらけにして』
サンジがタバコをもみ消した。
『味見させろ』
『サン…』
サンジが屈み、ルフィの唇に自分の唇を重ねようと近づいた。
『…ふふ、サンキュな…ルフ』『あああ―――――っ!』
触れる寸前、ルフィは突然叫んでサンジの肩ごしにあった丸窓へへばり付き、そしてキッチンから飛び出した。
『は…?!』
驚いたサンジも訳も分からず後を追う。
『あらルフィにも見つかっちゃったわ。じゃあハイ、あんたにもチョコレート』
『おうありがとうナミ〜っ!チョコ!チョコ!あーイイ匂い!』
一体どういう嗅覚か。
芝生の甲板ではナミとロビンがチョコレートを配っていたのだ。
『チョコ!チョコ!チョコレイト♪』
『ルっ……フィてめェェェェェェェェっ!!!』
『は!!!
ぎゃ――――っ!!!!』
『アンチマナーキックコ――――スっ!!!!』
『ギャ――――ッ!!!』
『?なんか分かんねェけど、ルフィ頑張れーっ!』
『ルフィさんファイトー』
『なんだあいつら』
『サンジだけ貰うの乗り遅れたから、八つ当たりじゃねェの?』
『アゥッ!一流コックも色恋沙汰にゃァ度量が小せェからなァ!』
アハハハと男性陣の笑い声が空に響き渡る。
『仲良しなのね』
『バカップル。暑苦しくてチョコもとけちゃうわよ』
『うふふ、春ねぇ』
『この船の一部分だけね』
女性陣の小さなやり取りを背に、ドゴーンという爆裂音も響き渡る。
今日も平和な平和な、サニー号なのだった。
『待てコラァァァ!!!』
『ギャ―――ッ!!!』
end^^
→あとがき☆