ルフィ×

□チョコレイトでぃすこ☆
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『あ!チョコだな!チョコ!チョコ!あースッげェ楽しみだな〜!』


キッチンに広がる甘い香り。

それに釣られるように、キッチンにルフィがやって来た。


『あーイイ匂い!チョコ!チョコ!』


期待に輝くルフィの目に、サンジは少し呆れた顔をした。


『…おめ、食い物っつったら何に対してもその反応だな。毎度のおやつと同じじゃねェか…バレンタインのチョコの意味、分かってるか』

『な!んな事分かってるって!』


ルフィは慌てた。


『えー、サンジの愛を感じればこそですな〜、楽しみっていうか特別おいしく食べられるっていうかですな〜』

『ぶ、変な喋りすんな。ま、何にせよ楽しみにしてくれてんのは嬉しいからな。ホラよ』

『へへっありがとう!』


チョコの包みにしては少々大きいサイズの袋を受け取ると、ルフィはあっという間に包装を解きチョコにかじりついた。


『うんまぁぁ…!スッげうまい…特別うまい!』

『ふ、良かったな』


目を細めて満足げなサンジ。

モゴモゴとチョコを頬張るルフィの横で、微笑を浮かべタバコを吸い始めた。


そんなサンジを見上げ、ルフィは少しうつむいた。


『…ホントだぞ』

『ん?』

『おれ、ホントにサンジのチョコ待ってたから…サンジのチョコだから特別うまいんだからな…』


うつむき気味にボソボソ喋るルフィは、耳まで赤い。


『ぷっ』


サンジは吹き出した。



ちょっと言っただけなのに。

そういう所が可愛いやつだよオマエは。


『顔あげろ』

『サンジ』

『あァあ、口の周りチョコだらけにして』


サンジがタバコをもみ消した。


『味見させろ』

『サン…』


サンジが屈み、ルフィの唇に自分の唇を重ねようと近づいた。



『…ふふ、サンキュな…ルフ』『あああ―――――っ!』



触れる寸前、ルフィは突然叫んでサンジの肩ごしにあった丸窓へへばり付き、そしてキッチンから飛び出した。



『は…?!』

驚いたサンジも訳も分からず後を追う。





『あらルフィにも見つかっちゃったわ。じゃあハイ、あんたにもチョコレート』

『おうありがとうナミ〜っ!チョコ!チョコ!あーイイ匂い!』



一体どういう嗅覚か。

芝生の甲板ではナミとロビンがチョコレートを配っていたのだ。


『チョコ!チョコ!チョコレイト♪』

『ルっ……フィてめェェェェェェェェっ!!!』

『は!!!
ぎゃ――――っ!!!!』

『アンチマナーキックコ――――スっ!!!!』

『ギャ――――ッ!!!』



『?なんか分かんねェけど、ルフィ頑張れーっ!』

『ルフィさんファイトー』

『なんだあいつら』

『サンジだけ貰うの乗り遅れたから、八つ当たりじゃねェの?』

『アゥッ!一流コックも色恋沙汰にゃァ度量が小せェからなァ!』

アハハハと男性陣の笑い声が空に響き渡る。



『仲良しなのね』

『バカップル。暑苦しくてチョコもとけちゃうわよ』

『うふふ、春ねぇ』

『この船の一部分だけね』


女性陣の小さなやり取りを背に、ドゴーンという爆裂音も響き渡る。




今日も平和な平和な、サニー号なのだった。



『待てコラァァァ!!!』

『ギャ―――ッ!!!』




end^^


→あとがき☆
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