ウソップ×

□pride2
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こんな俺でも…男だから





好きな奴は

やっぱりこの手で守りてェと思ってる。





…例え実力不足でも。




【pride2】



ゆったりと海を漂うメリーに、突然見張り台からのゾロの声が響いた。


『前方から、海賊船だ!』




『…あ?!サンジ、敵襲だってよッ!』


『……あァあァ…んだよ……』


キッチンの奥、倉庫。


俺はオロオロと乱れた着衣を整える。


対してサンジははだけたシャツもそのままに、ダルそうに首を振った。


『イイトコだったのに…ついてねェ…。せっかく空いた時間だったってのによ…』


『ッ俺だって…!こうなったら、早いとこ片そうぜ!』


『おっウソップ、言うじゃねェか。よし、クソ野郎共に一発かまそうぜ!』



*…*…*…*…*



俺達が外へ出ると、大型の敵船がもうメリーへ接舷しようとしていた。


『…チッ、ワラワラと大勢で押し掛けやがって…』


久々の大人数の襲撃。


こんな人数、メリーには出来るだけ乗り込まれたくねェ。


『ウソップはここから援護頼む!』


『あァ!』


サンジはヒラリと甲板へ飛び降り、そのまま敵船へ飛んだ。


『コイツの、試し撃ちだ』


俺はミカンの木の前に立ち、出来たばかりの新兵器・カブトを構えて、サンジに近づく野郎共を次々に弾いた。


サンジにはなんて事ねェ雑魚共だろうが、大人数に囲まれちゃ厄介なのに変わりはねェ。



『…サンジは、俺が守る…!』


*…*…*…*…*



『ッ…ムダに多いぜ…!』



サンジが眉をひそめた。


あれから、どの位ェ時間が過ぎたのか。


サンジの息が弾んでんのが、ここからも見て分かる。


『ッハァ…ッウゼェな!蹴っても蹴っても湧いてきやがる!』


…クソッ!

俺の援護も追い付かねェ…!



『ッ!』



サンジが、疲労と船の揺れに一瞬バランスを崩した。


その隙に、敵の一人がサンジの背後に飛び付き、羽交い締めにした。


『ッく!』



サンジ危ねェッ!



咄嗟に構えて、狙ったが。


サンジの後ろの野郎は俺に気付いていて、サンジを盾の様にこちらに向けた。



…サンジに、当たるかもしれねェ……ッ!



一瞬の迷いが、俺の腕を固めた。



羽交い締めにされたサンジに、一斉に野郎共が飛びかかる。



『サンジッ!』





『……鴉魔狩りッ!!』




…その時

サンジを守ったのは……ゾロだった。



 
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