ゾロ×

□剣豪のお料理教室
2ページ/7ページ


キッチンに入ると、厨房でコックが忙しく野菜を刻んでいた。


『…コック。何すりゃいいんだ?』


『あァ、そこのモヤシのヒゲとって。』


『…ヒゲ?』


『根っこだよ。細い糸みたいなのと、頭の双葉とって。』


コックはテーブルまで来ると、こうな?とお手本を1本して見せた。


モヤシの両端をピッピッと取るだけ。


確かに簡単だ。



『…わかった。』



カゴに山盛りのモヤシ。


簡単だがかなり手がかかりそうだ。


どっかと椅子に腰かけ、1本ずつ作業に入った。



よし、この端を、ピッピッ…



『っだァ!ゾロ、力入れんな!繊維が潰れてるだろ!』


覗いていたコックに怒鳴られた。


『あァ?!ちゃんとピッピッて取ったろうが!』


『あ?なんだ「ピッピッ」て!アホな効果音はいいから、力を入れんなっつってんの!』


『ちからァ?!』


『モヤシの繊維が潰れちゃあ、シャキシャキした感じがなくなるだろ。』


コックの顔は仕事中の真面目な表情で。


『下準備から優しく、愛情持ってやんねェと。
どんな料理もマズくなる。』


『愛情、ねェ…。』



 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ