ゾロ×
□剣豪のお料理教室
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…モヤシに愛情注げって言われてもなァ…。
軽く持ってやってるつもりなんだが…。
やっぱりちぎる時、端が潰れてる。
『…面倒くせェ。ヒゲなんか食えるだろ?』
『ばっかてめェ…あるとないとじゃ、口触りが全然違ェんだよ。』
コックが小さく笑った。
きっと料理の最高の出来上がりを想像して、笑っているに違いない。
あんまり楽しそうに笑うので、二の句が継げなくなった。
『ちッ…』
面倒くせェ…モヤシに愛情なんざ、持てねェっつうんだよ!
でも一度引き受けたからには、やり抜くのが男…。
…これはもはや、料理と言うより対決だ。
てめェら、覚悟しやがれ…!
ゆらりと殺気だった俺の気配に気づいたコックが、また口を挟んだ。
『ゾロ…なんで黒手拭い巻いてんだι
ヒゲとりすらロクにできねェのかよ…。
不器用にも程あんぞ…?!』
『うっせェ!気が散るだろ!』
『あァあ…。仕方ねェなァ…。とっておきの策を授けてやるか…。』