エース×
□morning sun(★)
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まだ朝日も届かない薄暗いキッチン。
静かで、冷たい。
テーブルに突っ伏して、目を閉じる。
あの日からずっと…思い出してる。
エースの囁き。
抱きすくめられた力強さ…。
引き込まれる瞳に…慣れた唇。
そして、熱い体温を。
なぜか日が経つほどに記憶は鮮明になって、毎夜体が熱を持つ。
苦しみ疲れて眠った後は夢で会える事もなく。
目が覚めるまだ薄暗い明け方は、何も変わっていない現実に、特に寂しくなって。
胸が熱く苦しくなる。
あの日、俺の全てをエースのモノにしてもらえば、こんなにも…。
こんなにも、胸を焼く気持ちには、なってなかったかもしれねェのに。
早く、会いてェよ…。
会って早く、抱いてくれ。
待つのは覚悟の上の恋だけど。
…やっぱり辛ェんだ。
毎朝、日課になっちまった。
この誰もいないキッチンで、冷たいテーブルに突っ伏して、火照った体をそっと冷まし…朝日を待つ。
こんな切ねェ毎日、辛すぎるだろ、エース…。