新世紀超怪獣大戦 〜the next 「G」〜

□「G」の去った夜に
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その弥彦村では夕方の凱旋モードはすっかり過ぎ去り、村は再び落ち着きを取り戻していた。
だが道行く人々の興奮はまだ収まっていない様で、親しい者と会う度に立ち止まっては村を救った英雄・桐城健の話をしている。



「全く、本当にここの人々も飽きないね。いや、純粋・・・と言うべきかな。」



今だに沸き立つ村人を見て、ついそう呟いた将治は村人の様子を見ながら何処かへと歩いて行き、やがて日本家屋の様な趣きのある宿屋に着いた。
ここが将治の宿泊している所で、宿泊費は祖父・孝昭が保管している将治の給料分から出ており、それはまだ18にもなっていない仮隊員の将治に給料を払うのはいただけない・・・と言う孝昭の厳格な考えからだった。



――今日で三日目・・・僕の給料はどうなっているんだろう・・・
ほんと、お祖父さんの変な厳しさにも困ったものだよ・・・



祖父へのささやかな文句を頭の中で溢しながら将治は靴を脱ぎ、下足箱に靴を入れて受付に向かい、受付で自分の部屋の鍵を受け取ると、そのまま部屋に向かった。





「ふぅ・・・」



部屋に戻った将治は鞄からノートパソコンと右端をホッチキスで留められた五枚程度の紙を取り出し、やや不本意な顔付きで紙を見つめる。
紙には戦闘機やメーサー兵器の操舵方法、戦闘時での緊急回避の指南について書かれていた。



「『勝手をさせる代わりの宿題』・・・と言った感じか。まぁ、もう8割は終わらせてるし、僕にはもっと大事な事があるから・・・ね。」



将治は紙を鞄にしまうとノートパソコンを操作し始め、それと同時に昨日の出来事を脳内に再生させる。
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