新世紀超怪獣大戦 〜the next 「G」〜
□それぞれの「G」で
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===メモリー===
「………来たか。」
研究室で安楽椅子に腰掛けていたエマーソンは静かに言った。
「エマーソン、お前を削除する。」
エマーソンの後ろに立ったM-5のγは言った。
静寂に包まれた研究室にコーヒーメーカーの音がリズムをもって刻む。
「I-Eがオリハルコンを使い始めた。……そろそろキミ辺りが来る頃だと思っていたよ。」
「………。」
γは黙って、右腕を刃物に変形させる。
エマーソンは動じない。
「キミ達やI-Eに彼のメモリーが生きなくて残念だ。……だが、私の記憶には残っている。私は、この研究に捧げた人生に後悔はない。」
エマーソンは静かに話す。γはそれに動じる事なく、右腕を振り上げた。
「………今そっちに逝くよ、ヨン。」
コーヒーメーカーが完成を知らせるアラームをならせる。しかし、既にその研究室にはコーヒーを飲む事のできる者はいなかった。